感想10 ギリシャ人の物語3 新しき力
塩野七生さんの本。
なんと、こうした形での本はこれを最後にするのだそうで、歴史エッセイということでカテゴライズしているそうです。で、巻末に一覧表がのっているわけですが、なんとすべて読んでるではないですか。すごいね。
はじめて読んだのが何だったのか、いつだったのかはっきりしないけれども、何十年とにわたって愛読書にしていたわけですから感謝です。
司馬遼太郎さんの本が司馬史観と呼ばれるように、塩野さんの本も塩野史観という部分もあるのだろうけれども、まぁそもそも詳しくない分野なのだし、なるほどと思う部分も多かったものです。
市民権をどう考えるのか、政治体制をどう考えるのか、税制は、兵制は、実にそれぞれに様々な考え方があり、ギリシャでもローマでも、時代によって考え方も変わる。原因と考えられるものがあって結果がある。
そのダイナミズムがとても面白いものでした。
私の考え方にもけっこう影響を与えているのでしょう。王政も帝政も貴族性も共和制もある。市民権の範囲も国によって時代によって変わる。税制も違う。兵制も市民を動員するものもあれば、傭兵もある。キリスト教もあればイスラム教もある。それぞれがそれぞれの考え方や条件によってそれを選ぶわけだけれども、うまくいくときもあればうまくいかなくなる時もある。なるほどねと思うわけで、そうした話を読み進めていくっことはたいへんに面白いものでした。
で、また、ずいぶんとっ昔の話でもあります。今回の本でも アレクサンドロスの話、時代。
2000年以上昔の話なのに、世界はそれほどにダイナミックに動いていたのかは感動的です。
なんといってもマケドニアの王なのだから、ギリシャのはずれ、それほど大きくもない国がインダス川まで来るのだから、たいへんなことで、世界史の教科書だとほんの少しの表記でしかないわけだから、
なるほど、そういうことであったのかと・・
世界は 歴史は 世の中は 人は ずいぶん変わったようっであり まるで変っていないようでもあり
学ぶことはたいへんのいいように思います。