感想9 絶滅危惧職、講談師を生きる
神田松之丞さんの本
読み終わったその日に、貸してと言われて貸してしまって手元にない。
やれやれだけれども、人に貸してでも読ませたいという本でもあります。
すぐに帰っては来ないのだから、もぉすこし早く書いてもよかった。
私が、そもそも東京の伝統工芸系だし、伝統工芸青年会の会長してたり
東京の伝統工芸めぐりなんていう連載を持っていたりしたので、
なんかいろいろと共通項を感じます。
だいたい東京の伝統工芸職人系なんていうのは、みんな絶滅危惧種ともいえる。
で、よくわかりもしないのに弟子入りするのがいて、慣れてくれば隣の芝のがきれいに見えたりもするし、
将来性も考える。先輩が、腕のこともあるし、人としてどうなのという気にもなることもあるだろうし、
本は、なんだか、いろいろが伝わってきて、とても興味深い。
筋が通っていて、一貫性を感じる。
一心に目指す姿勢はとても好きだ。確かにその根拠のない自信はどっからくるんだみたいなことはあるわけだけれども、ある程度の職人は、みんな鼻っ柱が強い。その矜持は大事だ。
職人系は、能ある鷹は爪を隠す、みたいなこともあるし、口下手も多い。
久方ぶりに、今の時代のリアルで、心意気を感じる本で、読んでよかった。
と思える本です。